先生の医療記事新聞集
求められる適切指導の医師
産経新聞 H16.2.24
プライマリーケア医と呼ばれる医師がいる。「患者が最初に接する医療の段階で、それが身近に得られ、適切に診断処置され、以後の療養の方向についての正確な指導が与えられる医師」のことである。
総合病院の総合受付では、患者が訴えた症状によって各科に振り分けられるわけだが、この作業を適切に行う医師がこれに当たる。
日本ではまだまだ一定の名称が決まっておらず、米国のファミリードクターのような広一な臨床能力を備えたプライマリーケアの専門医は現在、わが国には少ないと言わざるを得ない。
病気は身体疾患のみでなく、ストレスから来るうつ病や過敏性腸症候群、神経症の患者も数多く、診察機関を訪ねる。
ところが、このような患者への対応が不十分で、患者が不安になり医者をすぐに変え、重複検査を受ける。
これは医療費の無駄遺いである。
これらの患者を上手にマネジメントすることができるプライマリーケア医の育成が今日求められていると言えよう。