先生の医療記事新聞集
医療広告の規制緩和に期待
読売新聞 H11.6.3
これまで原則として禁じられ、病院や医師名、診療科目、診療時間といった必要最小限の情報を看板などに書くことだけが認められてきた医療機関の広告について、厚生省は基準を大幅に緩和する方針だという。例えば、「○大卒、○歳、がん治療が得意」というようなPR広告も認められる見通しだということで、ついに「医は広告」の時代が来たという感じがする。
学歴や学位、設備だけで、医師や医療機関は評価されたり判断されたりするべきではないとは思う。
ただ、自分は何が得意なのかということをアピールしなけれ、患者さんも口コミ以外に情報を得ることができない。
医療そのものがこれだけ細分化されている今日、オールマイティーな名医はいなくなりつつあり、医師や医療機関の数の多さを考えても、きめ細かな情報を提供すぺきなのは当然だ。
また、 患者さんもこれからは、自分の病気をよく理解することが求められ、医療の内容について無関心ではいられず、勉強しなければならなくなるというメリットも期待できる。
「医は仁術」という言葉が廃れて久しいと言われる。
情報の規制緩和だけがいくら進んでも、医療の根底に、愛や優しさ、慈しみ、患者さんとの信頼関係が必要なのは言うまでもない。