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遠藤剛院長
雑誌インタビュー・執筆情報
NIKKEI Medical 2002.4

上手に活用!噂の病院訪問記

他の媒体で充分に患者さんとのコミュニケーションはとっていたはずだったが…
でも、メディウィンドウのコミュニケーション効果は、「次元が違った!」
鶴ケ城と白虎隊、そして野口英世誕生の地としても知られる会津若松市に平成6年、えんどうクリニックは開院した。開院以来、えんどうクリニックは患者とのコミュニケーションに重きをおき、スタッフ全員が創意工夫を惜しまず、それなりの効果を上げてきたという。
にもかかわらず、同クリニックはさらなる患者とのコミュニケーションを図るために、平成13年の秋に患者と病医院とを結ぶ"ふれあいの窓--メディウィンドウ"を導入した。
はたして"メディウィンドウ"はその期待に応えたのだろうか?

"メディウィンドウ"導入に至る動機と導入後の成果の実際について遠藤剛院長にお話をお聞きした。

待合室をコミュニケーションの場に有効利用

「昔はとかく、医師は自分の説明を一方的に終え、患者さんに対して説明をしたと解釈してしまうケースが時にありましたが、本来は患者さんの分かるような言葉で説明し、患者さんが納得しているかの確認を怠らないことが基本です」と語る遠藤院長の患者とのふれあいの基本はコミュニケーションである。

すなわち一方的な通信ではなく、医師と患者双方の意思疎通にあると言う。
それができてはじめて、コミュニケーションは成り立ったと言えるのだと述べる。

遠藤院長はその方法について、「診察室での意思疎通はもちろん大切ですが、毎日100人から120人の患者さんを治療する中では、待合室での待ち時間をコミュニケーションの時間として利用する姿勢は、双方にとってとても有益で大切なことです」と言う。

「当然ふれあいの内容は医療です。病気という環境下にある患者さんには待合室でテレビや雑誌を見るのではなく、病気で病院に来ているときぐらいは一緒に病気のことを考え、待ち時間を有効利用していただきたいという願いが私にはあります」。

これまでも努力は惜しまなかったはずなのに

実際、遠藤院長はそのための努力を怠らなかった。
壁には多くのメッセージが貼られ、院内誌も発行していた。

「"メディウィンドウ"」を導入する前には壁の掲示物はいまの3倍あり、壁の全面に掲示していました。
視覚に訴えるためにはどうしたらいいのかと、そのためのミーティングも常に開いていました」。
「3ヵ月に1回の割合でスダッフと掲示物の内容をチェックし、その半数はその折りにリニューアルします」。
「その点は当院の特徴であると自負しています」。

またホームページも開設し、A4カラーで8ページにわたる院内情報誌「まごころ医院新聞」も発行し、コミュニケーションのためのさまざまな手段を講じてきたのだ。

これまでにない新鮮な効果

「実はこれまで旧経メディカル卦の広告などでさまざまな"メディウィンドウ効果"を拝見してきました。
例えば検査が2倍に増えたとかね。しかしそういう医療施設がそれまでどのようなコミュニケーションの努力をしてきたのかはあまり記されていませんでしたので、掲示物をはじめさまざまな創意工夫をすでにしてきた当院にもその効果は当てはまるのかと、正直言って少し疑いをもっていました」。

「でも自分で"メディウィンドウ効果"を体験してみて、そのコミュニケーション効果はこれまでになく新鮮で、すべてにおいて群を抜いていました。
他の手段と比較するには次元が違い過ぎるのです」。

院長が多くの病医院に特に強調したいこと

えんどうクリニックは平成14年1月に、患者が待合室で何をして過ごしているのかを知るためのアンケート調査を行った。
「アンケート調査からも、掲示物はかなりの人に見ていただいていることが分かったのですが、その調査の数値と実際の効果は一致していませんでした」。

遠藤院長は、このアンケートでは多くの患者が壁の掲示物を見ていると回答してはいるが、実際には眺めているだけで、ほとんど理解されていないことが分かったと言う。
「その点、カラフルで大きな文字、絵や写真が動き視覚に訴える"メディウィンドウ"は実際の数字上の比率よりはるかに高い効果を上げてくれました」。

「それにしてもあれだけ時間をかけ、多くの雑誌社から取材を受け、当院の掲示物の工夫と効果が認められ、記事になり、自分でも自負していた掲示物の何十倍の効果を``メディウィンドウ"は簡単に出してしまったんです」「もちろん、ホームページなどとの差も歴然としています。ですから、これは凄いことだと私は言うんです。本当に驚いています」。

すべてにおいて桁外れ、効果の裏づけ1「漢方外来」説明会の案内に利用

「まず来院される患者さんがみなビックリしましたね。それだけ患者さんに対するインパクトが大きかったのです」。
「大きな反響ということでは、当院で毎月第3土曜日に開催する「漢方外来」説明会の案内を"メディウィンドウ”でしたときのことが挙げられます。

その案内を流したその日に20件以上の問い合わせが患者さんからあったのです。
実は『漢方外来』については半年前から壁に掲示して紹介していたのですが、その問い合わせ数は半年で20件程度でした。

ですから、"メディウィンドウ"は掲示物が半年がかりでした仕事を1日でしてしまったことになります」。

すべてにおいて桁外れ、効果の裏づけ2 検査のPRにも最高

遠藤院長はさらに話を続けた。
「胃内視鏡と大腸内視鏡の検査数が圧倒的に増えました。少なくとも導入してから6ヵ月で2倍以上には増えています」。

その要因を尋ねると、「それは検査の流れを絵と文章で分かりやすく説明したことで理解が深まり、未知のことに対する恐怖心が消え、安心して検査を受けようという気になったからでしょう。アッ!これがさっき見た注射だ…というように」。

"メディウィンドウ"導入後まもなく、その効果に驚かれた歯科医師でもある院長の奥様から弊社宛にお礼の手紙をいただいた。

「それと患者さんは病院が何をしているのかほとんど知らないということを改めて認識できました。

当院の場合でも胃腸科や肛門科だけでなく、標傍科目では分からない治療も行っていることを"メディウィンドウ"で伝えたことで、患者さんの幅も大きく広がりました」。

その他にも、医薬分業の説明などにも活用し、移行もスムーズに行き、患者さんからもすこぶる評判が良かったそうだ。

すべてにおいて桁外れ、効果の裏づけ3 得意とする分野をアピール

ちょっとしたことを伝えるだけで思わぬ効果も出たと言う。
「痔の手術は昔は何週間もの入院が当たり前でしたが、今では日帰りが可能です。でも患者さんは未だに長期入院が必要だと思っています。
このことを紹介したら、痔の手術も2倍に増えました」。

さらに、「いま当院で増え始めている患者さんは単なるカゼの患者さんではなく、私の専門に関係する患者さんです。
自分の得意とする分野をもっとアピールしないと、医師も患者さんも求めているものに巡り会えません」と院長は言う。

「患者さんはけっこう多くの病気をもっていて、自分がどこの科にかかったらいいのか分からないという人が多いのです。
医師はそのことに気づき、患者さんへの配慮を怠るべきではありません。自分のできることをもっとPRすべきです」。

そうすることで、患者さんは病医院を正しく選択でき、また医師は医師としての使命をまっとうでき、結果として自院の繁栄に繋がるのだと、力説した。

すべてにおいて桁外れ、効果の裏づけ4 患者のプライバシーを守る

えんどうクリニックは「便秘外来」をしている数少ない医療施設である。
しかし、この案内を壁に掲出したが患者さんはそのそばに行き、じっくり読むことは無かったという。
なぜならば、自分が便秘だと他の患者さんに知られることを嫌がったためだ。

でも、"メディウィンドウ"なら、他の患者さんの目を気にする事なくさりげなく見れるため、患者への便秘外来」の周知徹底に効果をあげることが出来たとも言う。

このようなちょっとしたことが患者を思いやるコミュニケーションの基本と言えそうだ。

患者は健康に関する情報を欲しがっている

また、先の患者へのアンケート調査結果では"メディウィンドウ"の番組の人気は「健康情報」がダントツであった。
94%の患者が面白い、役に立つと答えている。

その点でも、「日経メディカル」の「医療情報」や「日経メディカル開発」の感染症情報を中心とした「健康注意報」やクイズ形式で楽しみながら健康について学べる「元気百科」が常時流せることは、病院への信頼感の向上に役立ち、心強い限りだと言う。

遠藤院長は、自院からのメッセージの合間に、やはり一般情報として放映される「癒しの絵ピーリングアート」や「写真」がお気に入りだそうだ。
「これこそ、一服の清涼感ですね」


お話の最後に、遠藤院長は患者とのコミュニケーションのあり方を考え続けていると、時には夜も眠れないこともあると、語った。

取材を終え、患者とのふれあいをこれほどまでに前向きに、そして真摯に取り組んでおられる院長から"メディウィンドウ"が認められたことを、とても光栄に感じた。

えんどうクリニック患者アンケート結果