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雑誌インタビュー・執筆情報
安心 2001.2

便が驚くほどよく出て8キロ減!ヨーグルトダイエット

腸内細菌のバランスを整え肥満の大敵便秘を一掃するヨーグルトダイエット

便秘は100害あって一利なし

私は、クリニック開業時から便秘外来を設け、便秘の患者さんの相談に乗ってきました。
私の専門は大腸肛門科なので、便秘の患者さんが多く、また便の状態は腸と密接に関係しているからです。

人間の腸の中には100種類あまりの細菌が棲み、100兆個にも及ぶ細菌叢(そう)(細菌の集団)があるといわれています。
その膨大な数の細菌は、おおまかに二種類に分けられます。
人間にとって有用な働きをする善玉菌と、よくない働きをする悪玉菌です。

まず、それぞれの働 きを見てみましょう。
善玉菌といえば、乳酸菌や ビフィズス菌がすぐに頭に浮かびます。
これらの菌は絡酸(らくさん)や酢酸(さくさん)などの発酵物質を産生し、腸内を酸性にして、体の免疫力(体内に病原体が侵入しても発病を抑える力)を高めます。

また、腸の調子を整えて下痢や便秘を改善したり、腸の蠕動(ぜんどう) 運動(腸の内容物を送るための大腸の筋肉の収縮運動)を活発にしたりしてくれます。
そのほか、発ガン物質を分解したり、ビタミンを合成したりなど、全身の状態をよくするのにも役立つのです。

一方の悪玉菌は、大腸菌やウェルシュ菌などが代表的なものです。
これらの悪玉菌は、さまざまな有害物質を産生して、腸内の腐敗を進行させます。
また免疫力を低下させたり、整腸作用を阻害したりと、善玉菌とはまったく逆の働きをします。

腸の健康は、この二種類の菌のせめぎ合いによって決まります。
私たちが健康を考えるうえで大事なのは、いかに悪玉菌を抑え、善玉菌をふやすかという ことでしょう。

さて、便秘が続くと悪玉菌がふえ、腸内の環境は著しく悪化します。
すると、便から産生された有害物質が腸から再吸収されたりして、腸ばかりか全身にもさまざまな悪影響が及びます。
つまり便秘は体にとって、まさに「百害あって一利なし」 なのです。

中年以上の女性は慢性の便秘に注意。

また、便秘は肥満の大敵でも あります。
便秘の人はたいてい肥満傾向にありますが、その理由は次のように考えられます。

まず、便秘の人は偏食がちで、栄養のバランスが悪いこと が多いのです。
栄養のバランスが悪いと、栄養素がエネルギーにうまく変換されなかったり、エネルギーとして使われなかったりして、エネルギー効率が悪くなります。
すると余ったエネルギーが脂肪細胞に蓄積され、肥満に結びつくのです。

二つめが、便秘になるとインスリン(膵臓から分泌される血糖値を下げる効果のあるホルモン)の分泌が低下し、血液中のブドウ糖(血糖)がふえることです。

血糖はインスリンによって細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われますが、インスリンが不足すると細胞にとり込まれなくなり、余剰なエネルギーとなります。
これも肥満の原因になります。

三つめは、食べた内容物が長く腸に停滞するため、コレステ ロールの吸収が高まることです。
吸収されたコレステロールは血中に入り、血液の高脂血状態を作ります。
それが、肥満を招きやすくするのです。
このように、便秘は肥満の温床になりますが、とくに中年以降の女性は便秘になりやすいので注意が必要です。

というのも、日本人は大腸の左下にあるS状結腸が長い(S状結腸過長症)人が多いのです。
これはとくに女性に多く、ひどい人になると、S状結腸がグルッと一回転した、とぐろを巻いたようなかっこうになっています。

大腸は、加齢とともに徐々に弾力性がなくなって弛緩してきます。
便秘になると、おなかの左下が張ってポコッとふくらむ人は、おそらくS状結腸に便が停滞し、宿便(腸内に長期間とどこおっている便)になっていると思われます。
これが、慢性の便秘の原因の一つになっていることが、意外と多いのです。

無理の無い減量ができる

便秘の患者さんを診ていると、多くは薬に頼り、よけい便秘を悪化させています。
しかし、薬に頼らずに自分で排便できるようにならなければ、本当に便秘が治ったとはいえません

そこで私は、便秘外来では食生活の改善を中心に指導しています。
実際、便秘は食生活を変えるだけでかなりよくなるのです。

そこで、便秘を改善して健康的にやせるためにおすすめしたいのが、ヨーグルトダイエットです。

ヨーグルトは牛乳に各種の乳酸菌を加え、発酵させた食品です。
乳酸菌は牛乳に含まれる糖を分解し、乳酸や酢酸などの酸を作ります。
これらの酸は腸の中を酸性にして、病原菌や悪玉菌の増殖を抑制するのです。
ですから、ヨーグルトを食べると腸内細菌のバランスがよくなり、腸の調子が整ってきます。
また腸の蠕動運動が活発になり、便秘がすみやかに解消されます。

先ほどもお話ししたように、乳酸菌は善玉菌の代表ですから、そのほかにも体にいいことをたくさんしてくれます。
ヨーグルトダイエットは、次のようにして行うとよいでしょ う。

三食のうちいずれか一食のごはんの代わりに、ヨーグルトを食べるのです。
食べる量は、250mlを目安とします。

ごはんをヨーグルトに替えるのは、三食のうちいつでもかまいませんが、おそらく朝食がいちばんとり入れやすいでしょう。
エネルギー的にみると、ごはんを食べるのとそれほど変わりませんが、ヨーグルトの効果で腸の状態がよくなるので、便秘がすみやかに解消され、無理のない減量につながります。
なお、ヨーグルトといっしょにとるおかずは、食物繊維の多い野菜を中心にします。
調理法も、揚げ物や妙め物は控え、温野菜にしたり、具だくさんのスープやみそ汁にしたりすると、野菜をたくさん食べられ、満腹感も得られます。

どうしても三食ごはんを食べたいという人は、一食のごはんの量をへらし、そのぶんを ヨーグルトで補ったらどうでしょう。
この場合は、250ml のヨーグルトを三回に分け、三食の食事のときにとります。
ヨーグルトは、無糖のプレーンヨーグルトがいいでしょう。

甘味がなくて食べにくい場合は、オリゴ糖をかけて食べることをおすすめします。
オリゴ糖は小腸では吸収されず、大腸まで直接行ってビフィズス菌のエサになり、ビフィズス菌の活性や増殖を促します。
しかもエネルギーは砂糖の二分の一ですか ら、ダイエットには最適の甘味料です。

しかし、いくらヨーグルトがいいといっても、三食ヨーグルトだけ、といった極端なダイエットは禁物です。
あくまでも大事なのは、栄養のバランスをくずさずに、ヨーグルトをとり入れることなのです。

なお、理想的な一ヵ月の減量ペースは月に2〜3キロです。
急激な減量はリバウンド(体重のあと戻り現象)を招きますから、あせらずに行いましょう。