福島県会津若松市藤原一丁目5番地−32
TEL0242-33-0700
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水曜 午前8:30〜午前12:30まで
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土曜 午前8:30〜午前12:30まで
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但し緊急を要する場合はこの限りでは
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雑誌インタビュー・執筆情報
病院なび DOCTORVIEW

「安心とまごころの医療」をモットーに、患者さんが納得できる診療を提供

えんどうクリニック 院長

遠藤 剛

〒965-0005 福島県会津若松市一箕町亀賀藤原417-3
Tel 0242-33-0700
MESSAGE
当クリニックでは、個人的な悩みあるいはご家族の病気などについての個別相談に応じるため、定期的にカンファレンスルームを開放し、「健康相談」「漢方相談」「便秘相談」「栄養士による食事指導」なども行っていますので、気軽にご利用ください。
皆様にとって身近で、立ち寄りやすい医療機関として、これからも「患者さんのため、地域のため」を合言葉とし、スタッフとともに「まごころを大切にした医道」を邁進する所存です。

亡き祖父の影、そして父の背中を追って医師の道へ。巨匠たちに師事し、修行に明け暮れた若手時代

―開業までのご経歴をお聞かせください。
帝京大学医学部を卒業後、第二外科に入局しました。玄々堂君津病院で研修医生活を送った後、千葉県市原市にある帝京大学ちば総合医療センター(旧帝京大学附属市原病院)の一期生として派遣されました。
「病院の立ち上げに関わった」と言えば聞こえはよいですが、配管が通ったばかりの真新しい建物には何もなく、本当にゼロからの立ち上げでした。もちろんまだ新米医師だった私は、レンタカーの運転から生活用品の買い出しといった雑用まで命じられるような状況で……(笑)。
当時の経験は自分が開業するときには無駄になりませんでしたし、今となってはよい思い出ですね。
その後、父から「もし、お前が私と同じ肛門科医を志すのならば、日本一の隅越先生に教えてもらいなさい」とアドバイスを受けたこともあって、JCHO東京山手メディカルセンター(旧社会保険中央総合病院)大腸肛門病センターの門を叩きました。
そこで活躍されていた隅越幸男先生や岩垂純一先生は、当時の日本の肛門疾患治療において、まさに第一人者であった方々でした。両先生をはじめとした、多くの先輩医師たちはとてもやさしく迎え入れてくれました。
1年ほどの短い期間ではあったのですが、私はそこで多くの手術に立ち合うことができ、たくさんの教えをいただくことができました。
―その後は会津にて、竹田綜合病院の外科・消化器科・肛門科に勤務されています。
はい。地元に戻って勤めた竹田総合病院では、外科医として知識や手技の幅を広げながら、数多くの外科手術に携わりました。
当時はまだ腹腔鏡下手術やロボット手術のような低侵襲手術は一般的ではなく、がん治療などでは大がかりな開腹手術がメインでしたから、私も胃がんや大腸がんをはじめ食道がんなどの消化器系のがん、がん以外の消化器疾患、肛門疾患の手術など、さまざまな外科手術の経験を積んできました。
この頃も、当時竹田総合病院の副院長でおられた紙田信彦先生にはたいへんお世話になりました。ほかにも教えを請うたり、腕を競ったりした仲間の先生は数多くいます。
大学病院時代も含め、先輩や友人に恵まれていた幸運が、私の医師人生をより実りあるものにしてくれたと思っています。
こうして、じゅうぶんな研鑽を積み、ついには自ら開業を決心し、1994年11月にこのクリニックをスタートさせました。
鮮やかなオレンジ色の椅子が明るい気分になる待合室

石の上にも三年。ていねいなスタッフ教育で、アットホームかつ信頼度の高い診療体制を構築

―現在はどのような患者さんを多く診ているのですか?
当クリニックは内科的なプライマリーケアを大切にしながらも、私の得意とする外科、胃腸科、肛門科領域での検査や手術を数多く手がけています。
現在もっとも多く来院されているのは胃腸・肛門疾患の患者さんです。
胃や大腸の内視鏡検査をはじめ、日帰り手術、または数日から1週間程度の入院となる小手術を数多く行っています。
入院設備10床という規模であるからこそできる、行き届いたケアや家族的なサポートが当クリニックの強みです。
もちろん、進行がんなどより専門的な検査や治療が必要だと判断した場合には、すぐに適切な医療機関を紹介させていただきます。
―では、貴院が得意とする小手術について、もう少し詳しくお聞かせください。
当クリニックでもっとも多く手がけているのは大腸肛門疾患で、内視鏡でのポリープ切除は年間約200例、また「痔」の手術は年間250?300例を実施しています。
痔には大きく分けて3種類あり、その6割近くを占めるのが「イボ痔」、残りのそれぞれ2割ほどが「切れ痔」「あな痔」となっていて、痔の種類によりそれぞれ治療方針が異なります。
「イボ痔」は医学的には「痔核(じかく)」と呼ばれ、肛門より内側にできる内痔核と肛門の外側にできる外痔核があります。症状が軽い場合は生活習慣の改善と薬物療法による保存的治療で改善が期待できますが、症状がひどい場合や再発を繰り返す場合には手術を検討します。
近年は、「ジオン注射(ALTA療法)」というイボ痔を切らずに注射だけで治すことができる治療法も登場しており、治療の選択肢として患者さんにご提案しています。
次に「切れ痔」ですが、医学的には「裂肛」と呼ばれます。肛門近くの皮膚が切れることで出血し、引き裂かれるような強い痛みを伴うため、「裂け痔」と呼ぶこともあります。便秘やダイエットによって便が固くなり、それが引き金になって発症してしまう例が多いようで、比較的女性に多く見られるのも特徴です。
切れ痔はひどくなれば手術も検討しますが、患部に薬を塗り、便を固くしないための食事や生活習慣の改善指導、漢方治療などを併用しながら治療することで、大半のケースで症状が改善します。
痔の3タイプの中で、もっとも厄介なのは「あな痔」、医学的には「痔ろう」と呼ばれる症状です。肛門周囲膿瘍という、肛門近くに膿(うみ)がたまる症状がさらに悪化し、直腸から肛門周囲の皮膚にむかってトンネル状の穴があいてしまう状態になったものが、痔ろうです。
痔ろうは中年?老年期の男性に多く見られ、抗生剤などの内科的治療では治癒はほぼ見込めず、放置するとがん化の可能性もある疾患です。そのため、当クリニックでは痔ろうの患者さんに対しては、症状の軽いうちに外科手術で治療することを勧めています。

クリニックのモットーは「安心とまごころの医療」、患者さんが納得できる診療を提供

―アットホームな雰囲気の院内は、清潔感もあって、とてもすてきですね。
実は、院内の衛生管理など裏方のマネジメントの多くは私の妻が引き受けてくれています。ですから、皆様に院内環境を褒めていただけるとしたら妻の手柄ですね。
私がこうして自分の理想の医療を追求できているのも、妻のおかげだと思っています。
―日々の診療で心がけていることはありますか?
初めての患者さんにはていねいな説明から入り、時間をかけてお互いに信頼関係が築けるように心がけています。
つき合いが長くなれば、今度は患者さんの病状だけでなく、顔色や声のトーンといった些細な変化も見逃さないように、よく観察するようにしています。あとは、いかに患者さんに「納得」してもらうか、言い換えればこちらが、どれだけ「まごころ」で接することができるか、という点でしょうか。
医師や看護師が患者さんのためになることを常に考えているのは当たり前ですが、それが患者さんにきちんと伝わるような行動にしなければ意味がありません。たとえばピロリ菌が見つかった患者さんであれば、当面の処置だけでなく2?3年先の治療方針まで説明するなど、患者さんから先々の不安を取り除くことを意識しています。地域医療を支えるうえでも「安心感」というのはとても大切です。
患者さんにとって「ここにくれば安心できる」「先生に相談すれば安心だ」そんなふうに思っていただけるよう、患者さんとの会話のやり取りをもっとも大事にしています。
私が、診察の終わりに「何か質問はありますか」という声かけを必ずするようにしているのも、こうした理由があるからです。
休日の過ごし方
川柳をよんでいまして、ライフワーク的な趣味として新聞への投稿などを続けています。
私か初めて全国版の川柳欄で取り上げてもらえたのは「聴診器 心の音も聞いている」という句を投稿したときのことでした。このときはとても嬉しかったですし、父からも褒めてもらいました。
というのも、私の父は遠藤余詩郎という柳号で活動する熱心な投稿家で、医師仲間はもとより、全国の川柳家にも名を知られた存在でしたからね。