よみうり寸評
2023.5.19 読売新聞
人間は自然を破壊できても制御はできない。それを言うのに、動物行動学者の日高敏隆さんは自然を電車に例えた
◆「何も知らない素人が、電車を止めることはできても、電車全体を運行させることはできないように」と(『世界を、こんなふうに見てごらん』)。国際秩序の破壊に走る指導者の顔が脳裏をよぎる
◆食糧、燃料資源、労働力…足りないものを互いに補いながら大小の国々が共存する国際社会は、様々な生物が共生する自然界に似る。比喩を国際社会=電車に置き換えても暴論とは言えまい
◆G7広島サミットが開幕した。
「80億たった一人を持て余し」(遠藤剛)。
よみうり時事川柳の投句者らでつくる時事川柳研究会の大会で2位に選ぽれた秀句である。この現状を打開する。昨年のサミットと同じテーマに首脳たちが向き合う
◆核兵器が使われたとき、止まりかかった電車は完全に止まるだろう。
危機感を世界が共有し、邪悪な意図を封じ込める契機となるか。電車に乗り合わせた一人として目が離せない。
人間は自然を破壊できても制御はできない。それを言うのに、動物行動学者の日高敏隆さんは自然を電車に例えた
◆「何も知らない素人が、電車を止めることはできても、電車全体を運行させることはできないように」と(『世界を、こんなふうに見てごらん』)。国際秩序の破壊に走る指導者の顔が脳裏をよぎる
◆食糧、燃料資源、労働力…足りないものを互いに補いながら大小の国々が共存する国際社会は、様々な生物が共生する自然界に似る。比喩を国際社会=電車に置き換えても暴論とは言えまい
◆G7広島サミットが開幕した。
「80億たった一人を持て余し」(遠藤剛)。
よみうり時事川柳の投句者らでつくる時事川柳研究会の大会で2位に選ぽれた秀句である。この現状を打開する。昨年のサミットと同じテーマに首脳たちが向き合う
◆核兵器が使われたとき、止まりかかった電車は完全に止まるだろう。
危機感を世界が共有し、邪悪な意図を封じ込める契機となるか。電車に乗り合わせた一人として目が離せない。