コミサポ2005年12月号
糖尿病について |
糖尿病とは?健康な人でも、食事をすると一時的に血液中の糖が増えて、血糖値が上昇します。血糖値が高くなると、すい臓からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、上昇した血糖値が下がります。 私たちはこうして糖を利用しているのです。 こうしたインスリンの作用が低下し、効きが悪くなった状態を「インスリン抵抗性」と呼び、糖代謝(糖を利用するしくみ)に支障をきたし、血糖値が高くなります。 この血糖値が基準値よりも高くなると、糖尿病と診断されます。 糖尿病と診断される目安は、空腹時の血糖値ががて126mg/dl以上、糖負荷二時間後の血糖値が200mg/dl以上です。 糖尿病がもたらす合併症血糖値が高い状態が続くと、さまざまな合併症が起こります。中でも「網膜症」、「腎症」、「神経障害」が、三大合併症といわれています。 これらは細い血管が損傷して起こる疾患で、「細小血管障害」と呼ばれます。 加えて、心臓、脳、脚などや、大動脈のような太い血管でも動脈硬化を引き起こします。 糖尿病の初期は自覚症状がひじょうに乏しく、自覚症状が出てきた段階では、糖尿病がかなり進行している可能性が考えられます。 自覚症状がないからといって、食事療法や運動療法を軽視することは大変危険なことなのです。 治療の基本は食事と運動糖尿病の治療には、大きく分けて、食事療法や運動療法を中心とする「非薬物療法」と「薬物療法」のニつがあります。しかし、治療の基本は何といっても、食事療法と運動療法。 これがしっかりしていないと、薬も思うように効いてはくれません。 中でも食事療法は最も重要なもので、血糖コントロールの良否を大きく左右します。 ポイントは、食べ過ぎないことと、偏食をせずバランスのとれた食事をすることです。 具体的には炭水化物(糖質)20パ?セント、たんぱく質20パーセント、脂質20パーセントの比率が理想的なバランスといわれています。 一方、運動療法のポイントは、毎日少しの有酸素運動(酸素を取り入れながら筋肉を動かす運動)をすることです,血糖中のブドウ糖は一回10分以上の運動で燃え始めます。 ウォーキングや軽いジョギングを一日に二?三回行いましょう。 ちなみに運動をする適切な時間帯は、食後30?60分ほど経過した血糖値が上がる頃です。 正しい食事と運動。 日々の生活習慣を少し変えるだけで糖尿病は大きく改善します。 もちろん、予防にも役立ちますので、ぜひ取り組んでみてください。 「自分にあった量」ってどれくらい? 食べる量は、生活で消費するカロリーと同じカロリーにするのが原則です。 具体的には、身長、体重、作業量などによって異なりますが、ここでは一般によく用いられている適正カロリーの求め方を紹介します。 一日の摂取カロリー(C)= 標準体重(A) × 一定のカロリー(B) (A)標準体重[身長(m)]2×22 (B)一定のカロリー(体重l k9あたりに必要なカロリー)の選び方 成人(軽作業)25kcal?30 kcal 肥満者、高齢者25 kcal 例)身長170cm、体重80kgの男性事務職の場合の適性カロリー 1.7×1.7×22≒64kg(A) 64×25(B)=1600 kcal ※1日の必要な総カロリーは1600 kcalです。 今の体重は、標準体重(A)より16kgオーバーしているといえます。 |