コミサポ2005年9月号
コレステロール値を見直そう |
コレステロールの正体は?私たちのからだを組織する皮膚や筋肉、内臓、骨格、神経などは数百億個もの細胞によって作られています。コレステロールは、これらすべての細胞の外壁にあたる細胞壁を作るための大切な材料 つまり、からだが正常に働くためになくてはならないものなのです。 脂肪が主成分であるコレステロールは、そのままの形では血液に溶け込むことができません。 そこで、溶けやすいように「リポタンパク」というタンパク質に包まれて、体内を運ばれているのです。 リホタンパクにはLDL(悪玉コレステロール)とHDL(善玉コレステロール)があり、LDLは体内にコレステロールを供給する役割を、そして、HDLは余分なコレステロールを回収する役割を果たしています。 総コレステロール量の減少=安心ではないLDLにより運ばれたコレステロールは、細胞内で必要な分のみ消費され、残ったものは血管の壁に付着します。この付着したコレステロールを引きはがして肝臓まで運ぶのがHDLです。 HDLはいわば道路(血管)に出されたゴミ(余分なコレステロール)を回収する清掃車。 供給と回収のバランスが保たれているときは問題ないのですが、清掃車であるHDLが少ないと、血管にコレステロールが溜まっていきます。 こうして血管が弱められ、動脈硬化や心筋梗塞が引き起こされるのです。 LDLが悪玉、HDLが善玉と呼ばれるゆえんはここにあります。 LDLとHDLのバランスが崩れていては、コレステロールは溜まる一方。 健康診断などで総コレステロールの量が減ったとしても、安心はできません。 中性脂肪でHDLの増減がわかるLDLとHDLのバランスがとれているかは、一般的には分かりづらいもの。そこで注目したいのが中性脂肪です。 実はHDLと中性脂肪は反比例の関係といわれ、HDLが減少すると中性脂肪が増加する傾向にあるのです。 中性脂肪が高いと言われたら、HDLが減っているのかもしれないので注意が必要です。 中性脂肪が高くなる四大原因は、1食べ過ぎ、2運動不足、3果糖(果物)のとり過ぎ、4アルコールだとされています。 まずは食生活を見直すこと、野菜、豆類、魚介類などを積極的に毎日の食卓に取り入れてください。 ただし、果糖の多い果物をとり過ぎるのは禁物です。 また、適度な運動をすることで効果は高まります。 簡単にできるウォーキングなどで十分ですので、毎日の生活の中に、習慣的に取り入れるようにしましょう。 そして、健康の目安の一つが中性脂肪やHDLの数値であることを忘れず、上手に付き合っていきましょう。 【コレステロール危険度チェックリスト】 当てはまる項目にチェックしてください。 □1 家族や親戚にコレステロール値が高い人、高血圧、糖尿病の人がいる □2 太り気味だ □3 食事時間がいつも不規則で、間食や夜食をとることが多い □4 油っこい料理やレバーなどの内臓が好きだ □5 いつもお腹いっばいになるまで食べてしまう □6 コーヒーをよく飲む □7 一日10本以上たばこを吸う □8 食べ物の好き嫌いが激しい □9 アイスクリームやケーキが好きだ □10 野菜はあまり食べず、便秘しがちだ □11 塩辛いものが好きだ □12 理由もなくイライラしたり焦ったりする。ストレスを感じやすい □13 仕事がたまっていて残業が多い □14 中間管理職だ □15 不眠気味で熟睡できない □16 階段を上がると息切れがする □17 定期的な運動をほとんどしていない □18 少し歩くだけで足が痛くなる □19 アキレス腱が少し腫れている □20 顔があぷらぎっている □21 吹き出物ができやすく、すぐにノドが渇く □22 物忘れが最近ひどくなった チェックが5個未満の人 問題ありません今の状態を保てるよう、生活習慣を維持していきましょう。 チェックが5個以上10個未満の人 現在は正常でも、知らないうちにコレステロールが増えている可能性があります。 日々の生活習慣を乱さないようにし、検査はこまめに受けるようにしましょう。 チェックが10個以上15個未満の人 コレステロール要注意体質です。 検査を受けてみてください。 油っこい料理や甘い食品を控え、運動不足を解消しましょう。 禁煙も忘れずに! チェック印が15個以上 気が付かないうちにかなりコレステロールが高くなっています。 動脈硬化が進んで危険な状態にあるかもしれません。 すぐに医師の診察を受けるようにしてください。 ※チェックの数が少なくても、1、7、18、19にチェックが入った人は、それだけでコレステロール値が高いことが予想されます。 くれぐれも注意してください。 |