コミサポ2005年6月号
高血圧とその原因 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
別名はサイレント・キラー三大生活習慣病にあげられている「高血圧」は、血圧一定以上に高い状態が続いてしまう病気で、初期には何の自覚症状も認められないといった特微かあります。しかし、別名「サイレント・キラー」と呼ばれているように、自覚症状がないからといって、高血圧の状態をそのまま長期間放置すると、全身の動脈硬化を促進させ、脳血管、心臓、腎臓などに障害を引き起こしてしまいますので、注意が必要です。 高血圧には、はっきりした原因がわからない「本態性高血圧」と、心臓や血管、腎臓、そして内分泌系の異常が原因で起こる「二次性高血圧」があります。 高血圧の90パーセント以上は、本態性高血圧といわれており、その原因因子としては、肥満、運動不足、塩分の取り過ぎ、飲酒、ストレス、過労などの生活習慣因子と、ナトリウムが蓄積されやすい、交感神経が緊張しやすいなどといった遺伝的因子があげられます。 自分の血圧を把握することが大切では、高血圧とはどういった状態のことをいうのでしょう。私たちの体は、常に血液が循環しています。 「血圧」は、血液が血管を通る時にかかる圧力のことで、心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧を「収縮時血圧(最高血圧)」、また、心臓が拡張した時の血圧を「拡張期血圧(最低血圧)」と呼びます。 よく「上」、「下」という言い方をしますが、上は「収縮時血圧」を、下は「拡張期血圧」を指しています。 日本高血圧学会のガイドライン(JSH2004)では、血圧を図1のように定めています。 収縮期血圧(上)が140mmHg以上、拡張期血圧(下)が90mmHg以上の場合を、「高血圧症」と定義されています。 また、今回のガイドラインでは家庭血圧測定の重要性が強調されており、家庭血圧で135/85mmHg以上も高血圧であると定義されています。 「家庭血圧」は、電動式血圧計などを使って家庭で測定する血圧のことで、日常生活の中での血圧の状況や変化を把握するための重要な情報源です。 特に早朝に起こる脳卒中や心筋梗塞の原因といわれる「早朝高血圧」や発作性の高血圧の発見に役立ちます。 最近では、「血圧管理手帳」など、血圧の自己管理を進めている病院もあるようです。
まずは食事、そして適度な運動を高血圧の治療は血圧値のみでなく、血圧以外のリスク要因(糖尿病・臓器障害・心血管病)の有無によって決まりますが、通常は生活習慣の修正が治療の第一です先のガイドラインには、生活習慣の修正項目として、左記の6点があげられていますが、複合的に修正することがより効果的です。?減塩 食塩制限として1日6g未満 ?野菜や果物の積極的摂取 腎障害や糖尿病を伴う場合は除く ?適正体重の維持 BMI【体重(kg)÷身長(m)2】で25を超えない ?運動療法 有酸素運動を毎日30分以上を目標に定期的に行う(心血管病の場合は除く) ?アルコール制限 男性は一日に20?30ml以下、女性は10?20ml以下 ?禁煙 また、これらの以外にもストレス、冬季の寒冷、入浴、排便等にも注意が必要です。 まずは、心臓と血管の負担にならない生活習慣を心掛けましょう。 |