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コミサポ2005年2月号
ピロリ菌の正体は

胃炎、胃潰瘍の影にピロリ菌あり

胃炎は過度な飲食やストレスなどが原因で起こる身近な病気です、急性、慢性など症状も様々ですが、胃や背中などがシクシク痛み、その症状が慢性的に続いているという方は、ピロリ菌が影響しているのかもしれません。

ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)は、胃潰瘍などの病気に深く関わっている細菌で、胃酸を中和することで胃の中でも生息することができます。

ピロり菌に感染すると胃炎を起こすことが確認されていますが、多くの人は症状を自覚しません。
また、むかつきや胃の不快感、軽い上腹部痛などの症状が起こっても、一週間ほどで治まり、その後は何の症状もないため、ピロリ菌に感染していることに気付かない人がほとんどです。

感染経路はまだはっきりとは分かっていませんが、ほとんどが口を介した感染と考えられています。
日本では四〇歳以上の約八割の人がピロり菌に感染しているという調査データがありますが、これは上下水道が十分普及していなかったなど、子供の頃の衛生環境が感染に影響したと考えられています。

感染予防の方法など、まだ分かっていないことも多いピロリ菌ですが、衛生環境が整った現代では、その感染率は著しく低下しているので、あまり神経質になる必要はないでしょう。

除菌により潰瘍が抑制される!?

ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍の発生、さらに再発や治りにくさにも深く関係していますが、その治療には除菌治療が有効とされています。
これまで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍は再発しやすく、そのたびに治療が必要な病気でした。
しかし、ピロり菌を除菌すると、完全ではありませんが大部分の潰瘍の再発が抑制されることが分かってきたのです。

除菌治療は、まずピロリ菌がいるかどうかを確かめる検査から始まります。
菌が確認されたら、抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬を一日二回、七日間服用するという治療を行います。
そして、全ての治療が終了してから四週間後、ピロリ菌が除菌できたかどうかを検査し、菌が確認されなければ除菌完了となります。

ピロり菌の除菌は、薬を正しく服用すれば約九割の確率で成功するといわれています。
成功率の高い治療法ですが、確実に除菌するためには、指示された薬は必ず服用することが重要なポイントです。
自分の判断で服用を中止すると、除菌に失敗するだけでなく、治療薬が効きにくくなる性質をもったピロリ菌があらわれることもありますので、注意が必要です。

また、治療の副作用として「軟便、下痢」、「味覚異常」などの症状がでることもありますので、主治医または薬剤師と相談しながら治療を進めることを心掛けましょう。

■胃炎の原因
?バランスの乱れが胃炎を生む?
●外因性因子
  過度のアルコール摂取、喫煙、暴歓暴食、消炎鎮痛剤、抗生物質など
●内因性因子
  精神的ストレス、加齢、タンパク質の不足など
■胃炎・胃潰瘍にならないための注意事項
1)過労やストレスを避け、肉体的精神的な安静を保つため十分な睡眠をとる
2〉自分の生活リズムに合った規則的な食事を心掛ける
3)食事はバランスを考え、栄養、カロリー、ビタミン、ミネラル類を+分にとる
4)ゆっくりとよくかんで食べ、腹八分目を心掛ける
5)刺激の強いものをとり過ぎない
   ・粘膜を傷つけやすいもの(硬いセンイを含む野菜など)
   ・胃液の分泌を刺激するもの(香辛料、塩辛いもの)
   ・胃を拡張させるもの(炭酸飲料や過食など〉
   ・熱すぎるもの、冷たすぎるもの
6)タバコ、アルコールなどの嗜好品をとり過ぎない