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気になる症例集

レントゲン検査の限界

「そうすると全部、間違っていたのですか」と私は少し驚いて、内科の医長に確認しました。
「そうです。正しく診断できたものは20例中に1例もありませんでした」と、彼もちょっと予想外という表情です。
20例のすべてが「誤診」でした。以前、ある地方病院の外科部長を務めていたときの話です。

その病院は、地域住民のがん検診も担っていました。
検診バスが何台もあって、胃がん検診も行っています。出来上がった胃の写真は、間接撮影といっで一辺10センチの小さなレントゲン写真です。
それを外科医と内科医が、虫眼鏡でチェックします。

こんな検診バスの検査でも進行胃がんなら、何とか発見できます。
でも医者は早期の段階でがんを発見したいと思っています。
胃がんには早期の鬼から進行したIV期まであります。
鬼で見つかった胃がんは、95%の人が治癒(完治のこと)します。

ところがIV期では、5%程度の人しか治癒しません。胃ほど進行度によって治癒率が異なるがんはないのです。
そこで、胃の写真に少しでも怪しい部分があれば、担当医は検診の結果を「要・精密検査」とします。
間接撮影は雑な写真ですから、異常とは言えないが正常とも言えないところがたくさんあります。

検査を受けた人の1割から2割が「要・精密検査」になります。
「大きな網」の結果ですから、精密検査の胃カメラ検査を受けると、ほとんどの人は問題なしです。
でも、まれには早期胃がんの見つかることもあります。

冒頭の内科医長は、過去の厖大なデータの中から検診後の胃カメラで見つかった早期胃がん20例を調べ出し、検診の間接撮影の結果と比較したのです。
「20例中0例」というのは、「ここが怪しい」と虫眼鏡でチェックした部位ではなく、すべて、胃の別なところに偶然に早期がんがあったという調査結果なのです。
進行がんの発見を除けば、もともと間接撮影の胃がん検診は人々に胃カメラを受けてもらうための儀式に過ぎません。
胃カメラなら数ミリの小さながんが見つかることも珍しくありませんが、数ミリの胃がんは絶対に間接撮影の写真には映らないのです。

早期に見つかった胃がんは高い治癒率だけでなく、治療そのものも簡単です。
胃カメラでがんを削りとれば、おなかを切る手術も不要だからです。

それだけではありません。今年の医学誌ランセットの1月31日号に、×線検査の被曝による発がんの論文が掲載されました。
日本の多くのマスメディアがこの論文を紹介しました。
日本は国民の被曝量が多く、世界に突出して予想発がん率が高かったからです。

間接撮影は、病院で検査する胃透視(直接撮影)よりも被曝量の多い検査です。
間接撮影は簡便ですが、あいまいで被曝量の多い検査なのです。
最初から、胃カメラの検診を受けた方が良いに決まっています。