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第2・4土曜日
雑誌インタビュー・執筆情報
月刊保団連 1995.10 No.483
 症例は32歳の男性。 1985年某日、高熱、咳、痰など、いわゆる感冒様症状で初診として来院したが、単なる感冒とは思えぬ重症感があり、早速胸部x-pを撮影し、陰影を認めた。
喀痰検査(一般細菌、結核菌)を行い、即入院を勧めたが応ぜず、自宅で婚約者に看病してもらうから、と言ってきかない。
 とにかく抗生剤、消炎剤などを投与し、いったんは帰宅させたが診療終了後、患家におもむき、その説得には1時間以上を要した。
やっとその気になってくれたので、肺炎疑い、あるいは肺結核症疑いということで入院させた。

 翌日、検査所より緊急電話連絡あり、喀痰結核菌ガフキー10号!という結果に驚き、早速紹介病院に連絡し、病院側も急遽結核病棟に転室させた。
幸い10ヵ月後には軽快退院でき、お赤飯持参で挨拶にみえた。

 もともとお祭り大好き人間とかで、太鼓打ちの腕は相当なものとの評判が高かった由−後になってから聞いたが、10年後の今では転居先でお祭りの方にも復帰し、秋空に太鼓の音を鳴り響かせている、との噂も聞こえてきた。

 ところでこの「ピンときた症例」をシリーズで出している企画に感服している。
「医学的に分析し、かくかくしかじかであるから、こうである」というのが普通であるが、いわゆる直観で感じる! 経験からの“勘”というものが、確かに必要な場合もある。
つまり、この症例においても、「これは単なる感冒にしては、どうもおかしい。
何かあるぞ−というのが、まさにそうである。これはその「ピンときた症例」であった。

 入院が1日遅れれば、結核感染防止ということで、保健所から強制収容入院となったであろうが、やはりその日のうちに入院できて、本人および家族にとってもすべてよかった−と思っている。

 これからもこの「ピンときた症例」を増やしていくためにも、自分の医学の引き出しを多くし、自分なりに日進月歩の医学を可能な限り日常診療に取り入れ、その基盤の上に立つものでなければならぬ、と思う。
幸い今は臨床医にとって勉強のチャンスは数多くあり、その気になりさえすれば、病院見学、症例検討会、研究会、学会など、以前に比べ道は随分と聞かれているような気がする。

 外来患者の中には、比較的稀な疾患も含まれることもあり、それらを見逃さないためにも、常に自分として多くの引き出しを用意しておく必要を感じる。
医学・医療は果てしなく奥深い!−−と感じている次第である。