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大塚薬方9号


第七回 国境なき医療

海越えて 医学が結ぶ 善意の輪

 二十一世紀になってから、環境、食糧、経済などさまざまな分野において地球規模での深刻な問題が生じ、その解決のためにどうしたらよいかをめぐってそこかしこで議論されるようになった。
いずれも人類が営々と築き上げてきた近代文明の抱える矛盾が、ここにきて一気に噴き出してきたということだろう。

 本来ならいずれの問題も解決に向けて具体的対応策が可及的速やかに実施されてしかるべき状況にあるのだが、しかしたとえば、七月に先進国首脳が集まった洞爺湖サミットにおける目玉の一つであったCO2削減に関する共同声明は、なんと42年後の2050年に現在の排出量の半減を目標にするというものであった。
国家間のそれぞれの思惑も絡んで解決の先延ばしをしているにすぎないのだと考えてしまうのは筆者だけではあるまい。
それにしても、あまりに悠長な話ではないか。
北極や氷河の氷は、こうしている間にもどんどん解け出しているというのに。

翻って医療の分野ではどうか。
切羽詰まった課題が山積しているにもかかわらず、これに類することは枚挙にいとまがない。
そんな中で、国際的見地から見たときの医療問題について考えてみると、やはり今すぐに手をつけなければならない課題の一つは、アフリカなどにある発展途上国における医療のインフラ整備である。
これが進まないために、こうした地域で多くの命が日々失われている。

 そこで当面、これを抑制、改善するためには、現地での医薬品や医療機器の供給、病院や医院の開設、医師をはじめとする医療スタッフの確保、さらには住民に対する健康教育などが強力に推し進められることが必要だろう。

 近年、「国際協力」の旗印の下、欧米諸国、日本などの企業や医師の中にこうした側面から積極的に支援活動に乗り出す向きも増えてきた。
医療における国際協力の団体もいくつかあるようだ。
「国境なき医師団」などはその代表的ボランティア組織である。
これらの中にはドキュメンタリー番組としてテレビで紹介されるものもある。
その映像から伝わる奮闘ぶりと活躍は、いつも人道的で美しい。
ここは素直に掛け値なしに受け止めよう。

 ところがこの医療分野において、日本がどの程度の国際貢献を果たしているかとなると、残念ながら欧米諸国に比較して見劣りする感がある。
「国境なき医師団」のホームページに紹介されている、前「国境なき医師団」理事で、現在、「宇宙船地球号」事務局長を務める山本敏晴医師の「国際協力」の仕事に関するコメントによれば、欧米からは年間数千人の 医師が派遣されているが、日本は数十人だという。
これに対し、日本の医療レベルを考えれば、数百人の規模になってもよいと指摘している。

 いったい、この事実は何に起因するのか?医療制度改革や高齢社会の荒波にもまれる日本の医療の状況では、とても世界に目を向けるゆとりなどないということなのだろうか。
しかし、アフリカに行かなくても、野口英世のような生き方をせずとも、医学知識や医療経験を生かして、何らかの形で世界の医療環境が整備されていない地域への貢献ができないものか。
地球規模で人類がさまざまなピンチを抱え始めた今、そんなことを思う。

 「海越えて 医学が結ぶ 善意の輪」

崇高な志と、やさしいまなざしを持って遠い発展途上国の医療に身を捧げる医師たちに、せめてもの熱いエールを送りたい。